労働問題

有給休暇などの労働条件

有給休暇などの労働条件

従業員と使用者との間では、労働契約によって、働く時間や支払われる給料の金額がいくらになるかといった労働条件を定めることになります。
労働条件を明確に定めていなければ、従業員と使用者との間で後々のトラブルの元になってしまう可能性が高いです。また、法律で定める基準に違反する労働条件を契約で定めることは許されません。
そのため、どのような労働条件を定めておく必要があるのかについては、本来は使用者側で把握しておくべきですが、違法な労働条件の下で働かされないためにも、従業員側の方も当然知っておくべきでしょう。

どのような内容の労働契約でもいいの?

では、労働契約で定めるのであれば、どのような条件・契約内容であっても、自由に定めることができるのでしょうか。
従業員と使用者との関係は、本来は対等であるべきですが、現実には未だに使用者の立場が強いことが多いです。従業員は、従業員にとって不利・違法な労働条件であっても、「雇ってもらえないよりもいい」、「給料が全くもらえないよりはいい」と考え、実際には泣き寝入りしてしまっていることもあるかと思います。
ですが、法律は、どのような労働条件であっても自由に契約を結んでよいとはしていません。たとえば、「休みはなし」、「残業代は支払わない」というような労働契約は許されません。

法律の定める最低ライン

法律は、労働基準法や労働契約法などで、「使用者は、労働者の最低限の権利を守りなさい」としており、いわば、労働条件の最低ラインを定めています。そういった法律が定めた最低ラインを下回る労働契約については、その下回った部分が無効となりますので、法律で定められている通りの労働条件の権利を主張することができます。
以下では、法律が定める労働条件の一例をご紹介します。

最低賃金について

まず、給料については、最低賃金法という法律が、時間当たりの最低賃金を都道府県ごとに定めています。
たとえば、平成29年時点の最低賃金は、愛知県では1時間あたり871円、岐阜県では1時間あたり800円、三重県では1時間あたり820円となっています。
この最低賃金は、毎年10月に改定され、翌年4月からその適用を受けることになっています。

有給休暇について

有給休暇は、法律上の言葉では「年次有給休暇」といいますが、労働者に有給休暇を一切与えないということは許されません。
法律は、出勤率の条件(全労働日の8割の出勤が必要)を満たしていることを前提に、勤続年数に基づいて、有給休暇を付与しなければならないと定めています。
フルタイムで働く正社員などの有給休暇の日数は、勤続年数ごとに、原則として以下のとおりです。

勤続年数
有給休暇の日数
6か月
10日
1年6か月
11日
2年6か月
12日
3年6か月
14日
4年6か月
16日
5年6か月
18日
6年6月以上
20日

また、正社員でなくとも、例えば、パート従業員やアルバイトなどの時間給で働く労働者であっても、有給休暇を取ることが法律上認められています。

パートタイム労働者については、具体的には、①1週間あたりの労働日数が4日以下で、1週間の労働時間が30時間未満であり、②1年あたりの労働日数が216日以下である場合には、上の表でご説明した正社員よりも日数は少ないですが、有給休暇を取得することができますし、逆にいえば使用者は有給休暇を付与しなければなりません。

以上のとおり、有給休暇については、どのような企業にお勤めであっても、労働者の勤務状況に応じて取得することができるのです。

休日について

職場の休日について、法律では、少なくとも週に1回もしくは4週間で4回を、休日とすることが定められています。多くの会社で日曜日がお休みであるのはこのためですし、日曜日が休日でない会社でも、週に1日は休日となっているでしょう。

この週に1回(もしくは4週間で4回)の休日を法定休日といいます。この法定休日がない場合には、使用者が法律違反の状態となっていますし、また、休日労働として通常の賃金の35%以上の割増しした賃金の支払いを受けることになります。

また、多くの会社では、週休2日制が採られていると思います。これは、法律が定めた週に1回の休日を超えて、さらにもう1日が休日となっているということになります(会社が法定休日を超えて定めたこのような休日を、所定休日・法定外休日といいます)。

この所定休日は、会社がワークライフバランス(仕事と生活の調和)を考慮したという面もありますが、実は残業に対する規制の影響があります。法律は、原則として、1日8時間、1週間40時間という労働時間の制限を定めています(「未払い残業代・賃金の請求」参照)。これを超える場合には、割増賃金の支払いなどが使用者に課されますし、そもそも本来は、その制限を超えて労働をさせてはならないのが原則です。
そのため、1日を8時間労働とするのであれば、週5日間の労働をすると、その時点でもう合計40時間に到達するため、使用者は休日を週2日に設定するというわけです。

以上のように、労働者にとって重要な賃金や、休暇、休日についてご説明をしましたが、労働条件については様々な事柄を定める必要があり、また、それらには法律の制限がある場合もあります。
そのため、労働者として、自身の労働条件がどのように定められているか、雇用契約書や職場の就業規則を確認しておくことが重要になります。