ゲームでのアイテム等購入によるトラブルについて

ゲームでのアイテム等購入によるトラブルについて

携帯電話、そしてスマートフォンの普及に伴い、携帯電話やスマートフォン上のゲームが、日本におけるゲームの売上の相当部分を占めつつあります。

この種類のゲームに共通してみられる特徴としては、ゲームのソフトウェア代や基本プレイの料金自体は無料としつつ、ゲーム内でのアイテム等を有料とする点があげられますが、これがしばしば問題となっています。

すなわち、運要素の大きな抽選購入システム、かけられるお金が青天井であること、クレジットカード決済やキャリア決済による支払感覚の薄さ、そしてそれに伴う後払いシステム等があわさり、自分の支払い可能額を超えたお金を消費してしまう人が後をたたないところです。このような事態は、自立している大人にも多くみられるところですが、特に問題となっているのは、未成年の子供が、親のクレジットカードなどを利用して勝手に購入してしまっていたようなケースでしょう。

では、このような場合に対し法的にどのように対応できるでしょうか。

まず、未成年者の場合に限らず考えられる方法として、購入への誘引に、虚偽や誇大表現、重要事実の不告知等があれば、詐欺(民法96条)による取消や錯誤(民法95条)による無効、あるいは消費者契約法に基づく取消などが考えられます。

もっとも、社会問題化により業者側も対策が進んでいる現在、このような手段がとりえるケースは多くはないと考えられます。

次に、未成年者の場合に特有の手段として、未成年者取消(民法第5条2項)が考えられます。この規定は、相手方(ゲームの運営業者等)の行為等にかかわらず、行為者が未成年でさえあれば、法定代理人(両親など)の同意なく契約していた、という事実のみで契約の取消ができる強力な制度です。これは、未成年者本人が取消できるのはもちろん、法定代理人である親からも取消できます。そして、取り消してしまえば、業者に対する支払義務は免れることができますし(立替払いをしてしまっているクレジットカード会社等への支払いを拒めるかどうかについては、また別の問題が生じます)、既に支払ってしまった後ならば、不当利得として返還請求ができます(民法703条)。

もっとも、その額が子供が使うのに常識的な範囲にとどまっているような場合、未成年者に対し「処分を許した財産」(民法5条3項)として、取消ができない可能性はあります。

また、未成年者が相手に対し、成年であると信じさせるような行為をとっていた時も、「詐術」(民法21条)として、取消ができない場合があります。

上述のようなゲームにおいては、ゲーム内において生年月日の入力等求められるケースが多いので、これが問題となる場合は多いでしょう。

では、「詐術」がどのような場合に認められるのかですが、最高裁は、「詐術」とは「無能力者が相手方に能力者たることを信ぜしめるため積極的手段を用いること」とし、未成年者による積極的な行動を要するとする一方、未成年者が、未成年であることに関し、単に「黙秘していた場合でも、他の言動とあいまって、相手方を誤信させ、又は誤信を強めたとき」は、詐術にあたるとしており、どこまですれば詐術にあたるのか、その基準ははっきりしません。

したがって、上述のようなゲームでの問題においては、ゲーム内での年齢確認の方法はどのようなものであったか、それに対して未成年者がどのように偽ったか、その他、年齢を誤認するような情報があったか等、様々な事情を総合的に考慮して、詐術に該当するか判断されるものと思われます。