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労働審判について

カテゴリー 2018年06月27日

1 労働問題に関するご相談やご依頼について、数多く対応させていただいております。
労働問題の解決のための手続として、裁判や仮処分、民事調停、労働員委員会によるあっせん仲裁など様々なものがありますが、今回はその1つである労働審判についてご説明します。

2 まず、労働審判は、司法制度改革の中、平成18年から運用されている比較的新しい手続となっています。愛知県では、名古屋地方裁判所の労働部(労働事件について専門的に対応する部)で取り扱われています。
また、労働審判は、裁判所に対して申し立てを行い、当事者双方がそれぞれの言い分を主張し、また、証拠を提出して、それらをもとに結論(審判)が出される手続です。このような流れからすれば、裁判に似た手続ということができます。
しかし、労働審判は、裁判とは異なる以下の様な特色があります。

3 まず、労働審判は、原則3回の手続で結論が出されます。
裁判には回数や期間に法律上の制限はありませんが、労働審判は迅速に問題の解決を図る手続として設けられたため、3回という制限が定められました。この3回の手続は、申し立てをした後、およそ3ヶ月から4ヶ月程度の期間を目途に運用されています。

4 また、労働審判は審判という決定を出すための手続ではありますが、3回という制限の中で、和解による解決(調停の成立)も積極的に模索され、調停の成立のための協議が手続の中で進められます。労働審判のおよそ7割程度が調停の成立によって解決に至っているとのことです。
そのため、労働審判は、3回を待たずに、第1回あるいは第2回の手続で調停が成立し、より短い期間で解決に至ることもあります。

5 もう一点、労働審判は、審判において解決のために相当な事項を定めることができる手続となっています。
この「相当な事項」というのは、例えば、解雇の無効を争う事件を例にすると、裁判では、解雇が無効であれば、判決は「従業員の地位にあることを認める」という地位確認となり、逆に、解雇が有効であれば、従業員の地位にあるとは認めないという判断になります。
これが労働審判では、判決と同じように地位確認の審判もできます。ただ、それだけではなく、解雇は無効と判断できるが従業員側が復帰を強く望んでいない場合などに、地位確認は認めず、不当な解雇に対する金銭的な補償をさせるという審判をすることができます。裁判よりも、より個別の紛争に応じた解決のための結論が出されるということになります。
このため、労働審判は、裁判よりも、より柔軟にその事案に則した相当な解決を目指す手続ということができます。

6 以上のような点が労働審判の特長ということができ、迅速に、また、適切に問題を解決することができる手続ということができます。
ただし、どんな労働問題も労働審判で進めれば良いということではなく、労働審判には向かない事案もあります。
特に3回という制限のために、例えば、争点が複数あり、また双方の主張が複雑である場合(解雇理由が複数あり、その理由それぞれに事実であるかないかが争われているような場合)、また、判断の前提となる事実関係が容易に判断できないような場合(例えば、残業代の請求で、タイムカードがなく、残業時間をどのように判断するべきかが争われるような場合)などは、3回の労働審判の中では判断ができないことがあります。このような場合は、労働審判は終了となり、通常の裁判へ移行して改めて審理がされます。
このように、労働問題については、どのような場合に労働審判を選択し、どのような場合にその他の手続を選択すべきなのか、手続を始めるにあたって、まずこの点の検討が必要になります。

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